摩訶摩訶

ハード SFC
ジャンル RPG
開発元 ショウエイシステム、オフィス恒環
発売元 シグマ
発売時期 1992年4月24日
バグ度
クソゲー度
デバッグ

SFC史上最凶のRPG

摩訶摩訶はSFCのクソゲーの中でも最凶のクソゲーとして名高い作品です。理由は色々あります。正常な精神の方には理解できないストーリーやキャラクターだけでも十分クソゲーでバカゲーです。

しかし摩訶摩訶をキングオブクソゲーの確固たる地位を確立させたのは想像を絶するバグの嵐。これに尽きます。

そんなバグ塗れでイカレちまっている摩訶摩訶の世界に皆さんをお連れしましょう。

ストーリーの時点で十分バグってるぜ!

まずはバグを抜かしてもイカれているストーリーを紹介しましょう。(※)相原コージ監修の時点で、ある程度破天荒な展開は覚悟すべきですが。

※後に調べたところ、イカれたシナリオと相原コージの書く漫画のテンションがだいたい一致しているのでシナリオも相原コージが書いたように見えますが、キャラクターデザインのみでシナリオには関わっていませんでした。

マカマカ団によって主人公の両親がミジンコにされるところから話は始まります……いやいや、まだ突っ込むのは早い。こんなもん序の口だ。

主人公(デフォルトではコルム)は両親を元に戻すために旅に出るのですが……。

愛媛みかんのダンボール箱を着た男が仲間になったり、
この世のものとは思えないブサイクな姫と無理矢理結婚させられたり、
はりてババアというキャラに張り手されて顔が腫れたせいで狭い道を通れなくなったり、
女湯に入るばーさんの話を聞くために、わざわざ男衆が性転換したり
敵に素っ裸にされて外に放り出され、子供に変態扱いされたり……。

とにかく常人には理解不能な展開が続きます。これに耐えられるなら是非プレイしましょう。しかしクソゲーマーなら寧ろ喜んでやります。

ただし、このあまりの破天荒で予測できない展開が続くストーリーは、プレイヤーを飽きさず、そこにハマって絶賛する人も少なくありません。 私もこれは寧ろプラスだと思っています。ただ常人に理解を求めるのは酷ですが。

迫り来るバグの嵐!

最初の方でわざわざフォントでかくして述べた通り、このゲームはバグが他のクソゲーの比じゃありません。
プレイヤーにとって有益になるバグから、どうでもいいバグ、プレイに支障をきたすバグまでバグのバーゲンセール状態。
とりあえずその中から幾つか強烈なインパクトのバグをピックアップします。


■移動中の特技が全員主人公のものになる

いきなり何言ってるのか分からないって? いやいや、プレイした側の方がもっと分かりません。

このゲーム、フィールド等を移動中に特技メニューを開くと、誰の特技を開いても主人公の特技になります。
そして誰でも主人公の特技が使えてしまうというとんでもないバグです。

主人公は回復技は覚えるので、誰でも回復技が使えるのはメリットになります……が、脱出魔法やステータス回復技が使えません。特にフィールドでしか使えない特技はその存在価値を完全に失います。 普通ならこんなバグプレイ開始して一時間もあれば気付くと思いますが、本当にデバッグしたんでしょうか……。

※後に調べた結果、先頭のキャラの特技になってしまうバグだったため、順番を変えれば使えるようになることが分かりました。だからってこんなバグ放置していいわけないんですけどね。


■突然守備力が1になる

一部のキャラクターがレベル30前後に差し掛かる頃、レベル上昇時に防御力が1になってしまいます。そのままセーブすると防御力が急低下したままになってしまい、最悪エンディングまで紙防御でクリアしなければならなくなります。

このバグ、低下するのがどうでもいい仲間ならまだしも、主人公やヒロインが低下した日にゃもう泣くしかありません。

防ぐにはレベルUPした時に防御力が急低下していないか逐一確認し、低下していたらリセットするしかありません。但しパーティにいない間に勝手に下がっちゃうキャラもいるので、そういうキャラは諦めるしかありません。


■お助けキャラがお助けキャラになってない

このゲームにはあんどう、トメという2体のお助けキャラがランダムで出現します。あんどうはパーティ全体をランダムで回復し、トメはパーティ1人のHPを全回復してくれます。

しかしこのあんどうというお助けキャラの「ランダム回復」がバグの引き金。ランダムで回復する際、数値が本来の最大HPである999を超えて回復することがある(寧ろ超えたことしかない)のですが、HPが1000を超えた状態で攻撃を受けると、どんな攻撃を喰らっても一発で即死してしまいます。

治す場合は一度死んだり、セーブ&ロードしたり、宿屋に泊まったりすれば直りますが、もはやお助けキャラが普通の敵以上に凶悪な存在と化している辺りが流石は摩訶摩訶と言ったところでしょうか。
ちなみにこのあんどうというキャラは一回殴れば確実に死ぬので防ぐのは簡単です。何も知らないと悲劇を招きますが。

ちなみにトメの回復はしっかり機能しますが、トメを倒すとはぐれメタルのごとく大量の経験値を吐き出すのでやっぱり倒した方がよかったりします。普通に戦って倒すのは困難なので、倒す場合は主人公の「ざこダスト」という特技が有効。


■エンディングまでバグ塗れ

スタッフのサービス精神の旺盛さには感服します。クリアのご褒美にはバグ塗れのエンディングをプレゼントしてくれるんですから!

ある仲間2人は柱に向かって話しかけて壁に突っ込み、ある仲間2人は上半身しかなく、ヒロインの首と思しき謎の物体が沢山あり……
そして極めつけはスタッフロールまでバグっているためスタッフの名前がよく分かりません。ここまで至れり尽くせりだと逆に感動します。

プレイに快適さを求めるな!

摩訶摩訶を語る上でもう一つ欠かせないのが操作性の劣悪さです。

メッセージ速度もトロくてイライラし、移動速度も亀と勝負させたらどっちが勝つのだろうかと思う鈍足さ、そしてSFCなのに読み込みがCD媒体かそれ以上に遅いのはどうなってるんでしょうか。

また、アイテム画面なんかもいちいち時間が掛かったりして、アイテム一個使うのも一苦労。アイテムを預けられる場所もありますが、預けるのも億劫になります。

というかそもそもバグってるので操作性に快適もクソもありませんね。

あとはBGMの音質が絶望的なまでに悪く、特に最初の街の音楽がなんだか物凄く不愉快になる音を発します。
私は初回プレイ開始30分後に気分が悪くなったので、体が弱い方にはお薦めできません。 慣れるまでは聞き続けていると気持ち悪くなります。どんな超音波を発しているのか科学的に分析して欲しいものです。

ちなみにそのBGMを担当したのがJ-WALKの知久光康氏ですが……何があったんでしょうか。J-WALKの曲聴くと摩訶摩訶のBGM担当したなんて全く信じられません。 ましてやこの人はこの作品以前も本作の開発と同じくショウエイシステムの全部クソゲーと専らの評判である北斗の拳シリーズでBGMを担当しており、そちらの方はこんな有様ではありません。 というか作曲云々が問題じゃなくて音源が問題なんですけどね。あとボス戦の曲だけはよく出来ていてそこは評価されています。

不思議なのが、これほどバグ塗れにも関わらずゲームバランスだけはクリアできる程度にはちゃんと整っています。 もっともあまりにもバグだらけなので、このゲームバランスさえも本当に想定したものなのかさえ不明ですが。明らかにバグで難しくなっている部分と、逆にバグのお陰で楽になっている部分がありますので。もしかしたらクリアできるようになっていること自体が奇跡なのかもしれません。

総評

クソゲー、バカゲー好きにとっては神のような存在です。最凶最悪のRPGではあるが、ある意味どんなゲームにも到達できない地点にいます。ただし、一般人にプレイさせると発狂する恐れがあるのでお子さんの手の届かないところに置いて下さい。


ちなみに続編ではありませんが、同じ相原コージ監修で、BGMの担当も同じく知久光康のRPG「イデアの日」は、幾つか摩訶摩訶との共通点があります。 摩訶摩訶があんまり酷過ぎたせいか、反省して割りと丁寧に作られていますが監修が相原コージなのでやっぱりバカゲーです。そっちもその他レビューの方にちょこっと書いてあります。


※追記:若かりし頃に書いたこの記事では「本当にデバッグしたのかよ」と記載されておりますが、「バグの修正は行っていたがどうしても修正完了前にマスターロムを送らなければならず、どうせチェックで突っ返されるだろうと修正前のロムを任天堂に送ったら何故か通っちゃった」というのが真相のようです(このゲームのプログラマー様のサイトに書かれていました)


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